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「Googleや Facebookは世論を誘導することができる」――プラットフォームを独占する巨大IT企業に政治コメンテーターが警鐘

世界有数の投資家がGoogleとFacebookは規制すべきと批判

長尾:
 そしてもう一人注目する人がいます。この人もダボス会議の常連参加者でジョージ・ソロスさんという資産運用をしている方です。イギリスのポンドに逆張りをして、お金を稼いだ人なのですが、今回いろいろな警鐘を鳴らしました。北朝鮮のことも警鐘を鳴らしたのですが、その中で強調されていたのはテクノロジーカンパニー、特にGoogleとFacebookに関して声高に批判していました。

 それらの企業を、まるでオイル企業みたいに辛辣な口調で言っていたのですが、石油や石炭の企業は環境を破壊しながら自分たちのビジネスを賄っているけれど、これらFacebookやGoogleは個人の情報を吸い上げて、場合によっては政治の大統領選のときもロシアにかなり影響を受けつつ、世論を誘導するようなそういった介入の仕方もできるので、「社会を搾取している」と言ったんです。要するにほとんど独占状態で運営しているので「規制をかけるべきだ」と言っているんですね。

山本:
 でもそうなると逆の現象も起こりますよね。

長尾:
 と言いますのは?

山本:
 たとえば中国。

長尾:
 まさしくそうですね。FacebookやGoogleがいる一方で、世界の会社の規模で言うと、10位以内に入っているうちの2社が中国の企業なんですよ。

山本:
 盗賊みたいな名前の……アリババ?

長尾:
 アリババとテンセントですね。まさしくテンセントはWeChatというチャットアプリを持っていて、そこでペイメントといって支払いもできる機能があって、かなりいろいろな消費者の情報を得ているので、GoogleやFacebookと同じくらい影響力を持っているのですが、FacebookやGoogleが規制されると……。

山本:
 中国企業の一人勝ちみたいになってしまうということですね。

長尾:
 はい。中国の企業は、確証はないですが、どこまで中国政府とつながっているかというのは不明な部分があるので、中国企業もほくそ笑むかもしれないですし、共産党もほくそ笑むかもしれません。

山本:
 すごく面白い。それにしてもジョージ・ソロスさんはダボス会議でもすごい存在感を放っていて、私の隣に座っていた緒方貞子【※】先生のところにやってきて、いかに緒方貞子さん大物かというのを感じた瞬間がありました。

※緒方貞子
国際政治学者。国連難民高等弁務官、日本における模擬国連活動の創始者でもある。

長尾:
 緒方貞子さんは愛されていますからね。

山本:
 緒方さんが言っていましたけれど、「ダボス会議は本当に旬の方は来られません。忙しいから。だいたい一つ仕事をやり終えた方とか、これからの方が来るの」なんて言っていました。すみません! ダボス会議の人たち!

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