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 『クロノ・トリガー』『ゼノギアス』などのゲーム音楽を担当した作曲家の光田康典さんが『ゲーム界隈井戸端会議』に出演しました。

 光田さんがゲーム業界に入るにあたって、どういったきっかけで業界を目指すようになったのか、Vジャンプ編集のサイトーブイさん、ファミ通編集の世界三大 三代川さんに語ります。

左から世界三大 三代川さん、光田康典さん(右手奥)、サイトーブイさん(右手前)。

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スポーツ少年だった子供時代

サイトーブイ:
 小さい頃から音楽方面は明るかったのですか。

光田:
 いいえ、全然です。4歳上の姉がいるんですが、僕が5歳か6歳ぐらいのときにピアノを習いはじめて、僕は姉っ子だったので、全く興味なかったんですけれども小学校6年生までピアノを習っていました。

 どちらかというと、スポーツのほうが好きでした。陸上とか水泳とか剣道とか、全然やったことないんですが2、3カ月みっちり教えてもらって国体に出たりしました。運動だけはすごく得意でした。

 でも中学のときに父が入院をしたんです。当時野球部だったのですが、父のお見舞に行ったりすると練習に出られない。そうすると、アイツ練習に来ないのにレギュラーかよっていじめにあうんです。

サイトーブイ:
 やっかみがいろいろと……。

光田:
 僕もこういう性格なので、そこまでいわれて野球をやりたくないと思って(笑)。だから運動は何でもできたのですが、音楽は全く想像してもいなかったですね。

 僕の田舎の友人は、僕が体育会系の仕事とか選手になると思っていて、文化系に進むとは思っていなかったようですね。

世界三大 三代川:
 その頃はゲームはやられていたのですか。

光田:
 ゲームは好きでした。でもうちは貧乏だったのでファミコンがなかったんです。そのときにたまたま親戚のおじさんが、「これからはコンピュータの時代になるからいまからやっておけ」といって、コンピュータをくれたんです。

映画音楽を作りたい「僕の中で音楽ってバンドじゃなかった」

光田:
 うちの父はもともと絵を描いていたんです。昔は映画の看板は写真ではなくて絵だったと思うのですが、その仕事を父がよくやっていました。だから僕も絵の方向に進むのかなと思っていたら、高校生のときに大友克洋さんの『AKIRA』が公開されたときに、あれに衝撃を受けて自分もアニメーターになりたいと思いました。

 映画が好きで高校生のときにずっと映画を見ていて気づいたのですが、効果音がないと怖くないなと思ったのがホラー映画でした。実家で映画を見るときは両親が寝静まってから、音量は上げられないので、音量を消して字幕だけで見ていたんです。ところがホラー映画は効果音がないと全然怖くないんです。

 もしかして音が人の気持ちを揺さぶっているのかなと思った瞬間、音の仕事をやってみたいと思ったんです。

サイトーブイ:
 そこからは音楽を仕事にしようと思ったんですか。

光田:
 とりあえず挑戦してみたいなと思いました。

サイトーブイ:
 普通の高校生なら音楽といえばバンドを組んだりするじゃないですか。

光田:
 そういうのも友人に誘われてやったことはありますが、僕の中で音楽ってバンドではなかったんです。バンドはカッコイイし、楽しそうだけど、コツコツと一人で構築していく裏方的なほうが自分には向いているなと思っていました。

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