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「そもそもExcelは文字入力には向いていない」現在も利用され続ける“ネ申Excel”の利便性と問題点を大学教授&プログラマーと解説

なぜ紙の文化は生き続けるのか

山路:
 役人とかってすごい忙しいってよく言われるじゃないですか。残業したりしてても、なぜみんな紙のままでやり続けてるんですか?

上原:
 やっぱり組織が巨大だと、末端の担当者レベルでは仕事のやり方を変えるって本当に大変なんですよね。特に帳票に関する問題というのは、大きな問題であって。

上原:
 そもそも国って、物事の手続きを決める時に、「法律に基づき、手続きはこういう風にします」と決めた次に考えることは、帳票のフォーマットを決めることなんですよね。法律で決まった様式っていうのをまず決めて、それをやりとりすることが仕事だと定義するところから始めちゃう。

 そうすると、法律関係のものとかをご覧になると、「この手続きにはこの様式を使います」という様式が、所謂規則みたいなところにぱちんと閉じてあるわけですよ。

小飼:
 でもその割には日本のお役所のペーパーで不思議なところっていうのは、そのペーパーに名前がついてないじゃないですか。

上原:
 厳密には『様式○の○』とついていることがありますけど。

小飼:
 例えばこれが米国だと、I-94というように言えば入国の時に出す書類だっていうのが、すぐわかるわけですよ。

山路:
 はあはあ。

上原:
 そういうナンバリングはされてないですね。

小飼:
 それおかしくない?

上原:
 法律ごとに、法律なんたらによる様式何番というそんな作り方になっているので。

小飼:
 でも特許にも平成何とかで番号とかつくじゃないですか。だからつけようと思えば、つけられるし、そんなのは簡単に出来ることですよね。

上原:
 この辺の合理性がないんですよね。そもそも法律だって、法律改正する度に、ナンバリングし直して欲しいといつも思ってるんですけども。

山路:
 プログラマーからしたら、もう不合理の塊みたいなものではあるわけですよね。

小飼:
 その割に手書きでいいとかね。

山路:
 手書きで。

小飼:
 手書きでいいんですよ。

上原: 
 あのボトムラインに合わせるので、コンピューターが使えない人でも、手続きができなきゃいけないので、手書きでやりましょうということです。

小飼:
 でもその場合は、だから、役所でファイルする時に、文字通り電子的なファイルにすればいいだけの話じゃないですか?

山路:
 全くその通りだと思いますよね。内部の処理を別にそのままでやる必要はないだろう、みたいな。

上原:
 本当にそうなんですけどね。

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