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医療用大麻規制で苦しむ難病患者がいる!?――大麻=麻薬という誤解を作った地上波メディア

日本の大麻は産業用

武田:
 この海外事情というものは、日本の大麻との関係という点では関係ないんですよ。おそらくこれを作った人はあまり大麻を勉強していないんですね。

一同:
 (笑)

モーリー:
 おそらくこういう企画を今まで誰もやったことがないんでしょうね(笑)。

武田:
 ヨーロッパでは、大麻というのは主に吸うんですよ。だから吸うのもいいんですよ。しかし日本の大麻の使用のほとんどは産業用、衣服なんです。日本の赤ちゃんの服は昔、全部大麻でした。蚊帳も大麻、下駄の鼻緒も大麻。漁網も大麻。大麻っていうのは、日本では産業用の資材として使うのがほとんどなんです。

 しかしヨーロッパでは産業用資材として使わないので、したがって、こういう話が出てきます。だから日本人が考えるときは海外の事情などは考えなくたっていいんですよ。

武田:
 別に吸ったっていいですよ。法律を変えて吸ってもいいし、別にそんな危険なものじゃないからいいんだけど、日本の大麻の主たる問題は産業用として使えるかどうかなのですよ。それが一番大きいんです。だから視点がちょっと違うんです。

モーリー:
 ただ結論に先に飛んでしまうと、要はオバマ政権で、「黙認」という形で州法と連邦法の矛盾を解消しようという方向に向かっていますよね。結局決め手になったのはコロラドが最初でしたけれども、リーマンショック以降の財政難の中で、州税が鬼のようにすごくできてくるわけです。

 つまり経済が最終的な決め手であったという点では、今後日本で産業大麻の解禁を検討する場合、やっぱり経済的なモチベーションが主たるものになりますか。

武田:
 いや、日本人が大麻をなんで使うかっていったら、日本人は精神を穏やかにするために全部使ったわけです。ですから日本人は「麻」というものに対して非常にノスタルジックなんですよ。それはもちろん戦後の人は分かりませんけどね。

モーリー:
 70年前を覚えていないとね(笑)。

武田:
 ですからそういうことで、日本文化の一つとして「大麻というものを産業用に使うか」っていう問題は、日本人としては非常に大きな問題です。あらゆるところに麻は生えていますし、今でも自生しています。みんなそれが分からないからアパートの中でつくっているけど、「アパートなんかでつくるんだったら、僕が教えてあげるから」って言いたくなっちゃう(笑)。

 日本は大麻が山ほど自生していますから。それを全部取り締まるのは難しいんじゃないかと思うんですよ。

モーリー:
 なるほど。全部集めて燃やしたら、近くにいた人たちは煙でぶっ飛んでしまったみたいなことにもなりかねない。

一同:
 (笑)

米の大麻解禁は人権的理由ではなく、経済的理由

長吉:
 アメリカは大麻をディスペンサリー(薬局)で売っていますよね。しかしわざわざ僕らがお金を出して、医療用大麻として買う必要もないんです。

 そうじゃなくて僕らが育てるか、普通にそんなところに金をかけて税収が上がるような仕組みに参加する必要はなくて、年寄りでも「おばあちゃん、これあげるよ」って言って、隣の人が植えてあげればいいだけなんです。吸えばいいんです。食べればいいんです。

モーリー:
 長吉さん、もしその方法論に徹していたら、アメリカではたぶん解禁されなかったような気がします(笑)。だってお金が欲しくて通したわけだから。事情として、政治的な立ち回りがあった。活動家は40年間、人権の見地から散々言ったけど言っては潰されまくっていたわけですよね。

武田:
 人道的立場から政治が動くような時代にいきたいものですね。お金で動く世の中じゃなくてね。アメリカがたとえそうでも日本はやっぱり誠実さとかで生きる日本になりたいものですよ(笑)。モーリーさん、世の中は全部金で動くって諦めていない?

モーリー:
 金ですって。

武田:
 僕は諦めていませんよ。世の中は誠実さで動く。日本だけはそうだと言い続けております。

モーリー:
 すごい! 大麻の解禁も日本は誠実な討論で動かせると。

武田:
 もちろんですよ。そうじゃなかったら、日本人は価値がないじゃないですか。日本人は誠実さが価値だからね。金儲けはアメリカ人に負けるかもしれないけど。プロ野球だって、アメリカのプロ野球の選手が稼ぐのはすごい額だからね。

一同:
 (笑)

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