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『YouTuberヒカル』VALU騒動に“VALUリードエンジニア”がコメント「愉快犯に対する備えというのは率直に言ってなかったです」

  YouTuberによる「大量売却騒動」で話題となっているマイクロトレードサービス 「VALU」。人物を株式に見立てた仮想株式「VA」を取引することができる、というサービスを提供しています。

 そのVALUのリードエンジニアである小飼弾氏がホストを務める『小飼弾の論弾』では、ゲストに脳科学者の茂木健一郎氏を迎え、山路達也氏とともに「一連の騒動をどう見ているのか」、「死後のVALUの相続は?」「他サービスとの比較」などの話題に言及しました。

左から茂木健一郎氏、小飼弾氏、山路達也氏。

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VALUは死んだら相続できるのか

山路:
 では、VALUの話に入りましょうか。

茂木:
 あれは、今順調なんですか。

小飼:
 ぼちぼちやっていますよ。

茂木:
 VALUって、YouTuberのヒカルさんがあれで……あれでしたけど(笑)。

山路:
 個人を“上場”するというサービスですね。

小飼:
 個人が“増長”しちゃったサービスなんですが……(笑)。

茂木:
 VALUの時価総額を決定するアルゴリズムって公開されているんですか。

小飼:
 初値に関してはシークレットソースみたいなものがあるんですけれど、あくまでもはじめのVA価格をどうするのか、というものであって……最終的には相場ですね。

茂木:
 “味付け”みたいなのはしているの?

小飼:
 味付け?

山路:
 弾さんの判断で価格を決める……とか。

小飼:
 いやいや! あまり関わりがないんだけれども、今のところはソーシャルグラフ【※】だけ見ている、というのはあります。

※ソーシャルグラフ
複数の人間の相関関係や人間同士の結び付きを意味する概念。SNSにおける人間関係のネットワークを可視化したものや、それらの情報をデータ化したものを指す。

山路:
 昔はTwitterとかFacebookのフォロワー等で運用されていた、Kloutスコア【※】がありましたが今もあるんですか。

※Kloutスコア
クラウトスコア。Klout, Inc.が運営する、ソーシャルメディアにおけるユーザーの影響力を分析するサービス。Twitterのフォロワー数、リツイートされた回数、Facebookの「いいね!」といった、ソーシャルメディアのつながりとコミュニケーションを分析しスコアとして評価する。

小飼:
 それらに似たようなことをやっているんですけど、それはあくまで初値ですね。やはり、そこから上がったり下がったりした後に値が落ち着いていくんですけど……そこに関しては今でも議論がありますね。

茂木:
 だから今、すごい議論になってるじゃないですか! ICO【※】とかどうなんだとか?

※ICO
Initial Coin Offering.新規仮想通貨公開。企業などが新しい仮想通貨を発行し、不特定多数の投資家に取得させることで対価を得て資金調達すること。

山路:
 仮想通貨を使って資金調達をすることとかですね。

茂木:
 それと、もし死んじゃったらVALUはどうなっちゃうの?

小飼:
 今のルールでは死んだらなくなっちゃいますね。ただし、VALUの中で預かり資産があった場合には、「持ち分にあわせて再配布をしてもいいんじゃないのか」という意見も出ています。

山路:
 まだ死んだ人がいないから、そのあたりはわからないんですね。

茂木:
 例えば……VALUを継いじゃだめなの?

小飼:
 相続の面も含めてどうしていくのがいいのかは日々模索していますね。

山路:
 今、VAは資産ではないんですよね。

小飼:
 VAは資産ではないです。

山路:
 VAはあくまでトレーディングカードのようなもの、という説明ですよね。

茂木:
 それは贈与に相当する、という解釈なんでしょ?

小飼:
 いや、贈与ではなく税区分で言うと単なる雑所得ですね。例えば漫画家さんが液晶タブレットを買うために、VALUを発行したというのであれば、事業所得として申告できます。ここまでは合意形成がとれました。

 贈与というのは基本的に譲渡でいいわけですよね? その場合は本当に雑所得か事業所得ということになります。

小飼:
 発展していけば、いずれはキャピタルになり、株式や証券みたいな税区分になるかもしれないですけれど……だから黎明期のFXみたいな感じですかね。

山路:
 なるほど。

VAを買い占めれば個人を奴隷化できる!?

茂木:
 完全に理解しているわけではないですが、ビットコインだとプルーフ・オブ・ワーク【※1】みたいな、「それなりに努力しました」みたいなことでマイニング【※2】する行為に対して新規にビットコインを発行する、という我々の倫理観に接続する仕組みがあるんだけど。VALUって見返りは別に義務じゃないんでしょ?

※1プルーフ・オブ・ワーク
仕事量による証明。ハッキング等によるコイン偽造を防ぐため、偽造するためにはより多くの「仕事量」を費やさなければならない。

※2マイニング
ビットコインサービスにおける有志で取引台帳の追記作業を行う行為。

小飼:
 義務ではないですね。

山路:
 優待ですかね。

茂木:
 だから優待というか、そこがちょっと俺の中ではよくわからない。俺は今のところやってないんですけれど、プルーフ・オブ・ワークみたいなのがあった方が人間の感覚としては納得がいくというか……。

小飼:
 ただ、例えばそれを「コミットメントだ」とみなした場合に……。

茂木:
 ああ、コミットメントか。

小飼:
 コミットメントまではいいんですよ、例えば優待を出したけれど、優待が思ったよりしょぼかったら値は下がるでしょうし、優待がそれ以上に良かったらこの人の優待はいいぞということで……。要は単なる評価だったものに値段がついていく。

茂木:
 なるほど。

小飼:
 例えばコントラクト(契約)を仕組みにしてしまうと、VAを買い占めることによってその人の一部ないし全部を奴隷化できちゃうんじゃないか、と。

茂木:
 「お前のVAを全部持ってるんだから、これやれよ!」となっちゃう。

小飼:
 だから今のところは、憲法という制限があるので……。

山路:
 全部を買い占めるってことには……雇用契約でもその本人を全部買い占めるみたいなことはできないじゃないですか?

小飼:
 できないです。

山路:
 それと同じように、全部買い占められる可能性があるってことなんですかね?

小飼:
 今のところは、どこまでをコントラクトとして売っていいのかってのは法がないわけですよね。雇用じゃないわけですから、そのへんのところは実際にやってみて「これならいけるでしょう」っていうのを積み上げていくしかないと我々は考えています。

 法はきちっと遵守します。だけど、その法にもかなり幅があるわけですよね。だから今は潜在価値を市場にあげています。

山路:
 潜在価値か。

小飼:
 例えば睡眠時間というのは奪えません。家族と過ごす時間というのもそうでしょう。それでもなお自由に提供していい時間や労力っていうのはあるわけです。そういった場合は、既に勤め先がある人よりもフリーランスの方があるだろうと思います。

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