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「同人文化に寛容だからね」日本の漫画カルチャーが世界トップクラスで発展している3つの理由

 8月20日に放送された『岡田斗司夫ゼミ』では、『風雲児たち』『ホモホモ7』などを手がけた漫画家のみなもと太郎氏をゲストに迎え、岡田斗司夫氏が『マンガの歴史』について語る。

 「世界で漫画を最も多く描くのは日本人」とのことだが、そのルーツはいったいどこから来ているのか。


漫画文化発展の理由①「紙が安かった」

左から岡田斗司夫氏とみなもと太郎氏

岡田:
 フランス、ベルギーのようなバンド・デシネ【※】先進国もあれば、アメリカのようにアメリカンコミックもあるという中で、なぜ日本人だけがこんなに漫画を読むだけでなく、描くという特殊な形になったのでしょうか?

※バンド・デシネ
ベルギー・フランスを中心とした地域の漫画

みなもと:
 紙が安かったんです。

岡田:
 ペーパー自体が。

みなもと:
 それは奈良時代からずっと。

岡田:
 奈良時代からずっと!(笑)

みなもと:
 他の国よりも、紙は潤沢だったようです。だから当然、江戸時代なんかに、よその国だったら人形劇が発達していくところが、日本では挿絵や浮世絵が流行しました。
 子供のための玩具遊び絵なんてのがありますよね。他にもすごろくなど、紙で楽しむという文化がずーっとあります。それが1つです。

岡田:
 なるほど。

みなもと:
 それともう1つは、「物語を紙で楽しもう」という。これがホントに、未だに謎なんですが、日本の最初っからあるんですよ。
 だから絵巻物があるでしょ。延々と、長い長い。

岡田:
 それもこの本の中で、僕も初めて知ったけど、絵巻物って日本人の発明だそうですね。

みなもと:
 発明とは、断言はできませんが。

みなもと:
 とにかく私が素人考えでいた頃には、どうせ中国にそのルーツがあって、向こうには良い絵巻物がいっぱいあるんだろうと思っていた。中国の漫画マニアの人なんかと知り合って聞いてみると、「そんなものはない。」と。

 それから専門的な本を見ても、確かに絵巻物はないんですよね。だけど、それでストーリーをドンドン追っかけて行くというようなことを、すでに奈良時代からやり始めているので、何なんだ? これは? と。これは私もわかりません。

 だから鳥獣戯画だけをわざわざ、蛙とうさぎの相撲だけを漫画のルーツと考えるんじゃなくて、ストーリーを追っかけて行こうという発想が、これがどうも他の国にまだない時代にやってるんですよね、日本は。だからようわからん。

岡田:
 僕、何ヵ月か前から、ゴシック建築にやたらハマってしまって、ヨーロッパに行ってゴシックの教会とか見ていると、ゴシックって建物の中にある、彫り物や彫刻などで世界観を見せますよね。
 世界観を見せて、例えばキリスト誕生の瞬間とか、マグダラのマリアがこんなことを言ったという、細かいエピソードを絵1枚で見せることはやりますけども。

みなもと:
 そうそうあれはやる。

岡田:
 それを連続性でやらない。

みなもと:
 そうそうやらない。

岡田:
 それらをいっぱい見せることによって、渾然一体とした世界を作るんだけども、1つの大きい流れというのはわりと作らない。

みなもと:
 作らない。そうそう。

岡田:
 あの辺なんかヨーロッパ人面白いですよね(笑)。

みなもと:
 だからあっちは、音楽がそういう物を代用したのかもしれない。

岡田:
 つまり音楽という物が順繰りに世界を見せていくっていう。

みなもと:
 盛り上がったり、盛り下がったり、静かなところから突然、ドラマティックじゃないですか。交響楽団っていうのは。だからああいう方で行ったのかなあ。
 とにかく日本は見る文化。紙芝居だって、当然外国にあると思っていたら、ないんだもの! え!? と思う。

岡田:
 人形劇はあるけど、紙芝居はないんですよ。

みなもと:
 紙芝居が世界にないっていうのを本当に知った時、なんなんだ!? この国は? と逆にびっくりした。

岡田:
 何が漫画を普及させたのかっていうのを「フレデリック・ショットの説」が。

みなもと:
 読んだけどあんまり覚えてないんだね。

岡田:
 漢字とシャーペン説。この人、この本の中で書いているんではないんですね。盛んにアメリカのコンベンションとかで話してたんですけども、我々が一応知っているシャープペンシルっていうのは日本人の発明だった。

みなもと:
 そうそう。

岡田:
 彼らは子供の頃から、漢字の書き取りというのをする。おかげで彼らの指先はすごく速く細かく動く、と。
 フレデリック・ショットが言うにはですね、日本人が持っているひらがな、カタカナ、漢字っていう曲線、直線、あと細かい凸凹、中心を真ん中をなぞらなければいけないというルールの数々が、精密な画を描くのを子供の頃から鍛えていると。

みなもと:
 特に俺はルビがそうだと思う。要するに、漢字だけではいけないからここにちょっと説明を入れましょう、というこの発想はね、漫画にそのままつながっている。

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