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将棋と同様に、どんな質問も丁寧に受ける佐藤天彦名人「“貴族”っぽく振る舞っている?」「女流棋士との結婚はある?」

 「第51回東急百貨店将棋まつり」にて「東急スペシャルトークショー 森田さんに聞いてみよう!」が開催されました。気象予報士の森田正光さんは、棋士の大山康晴名人の「良い道具を持て」という教えを受けて30万円の将棋セットを揃えたほどの将棋好きです。

 トークショーには棋士の田中寅彦九段佐藤天彦名人田丸昇九段山口恵梨子女流二段も出演。棋士の皆さんから森田さんへ質問だけでなく、森田さんから佐藤名人へ逆質問も行われました。「好きな女性のタイプ」や「女流棋士との結婚はある?」など踏み込んだ質問も出ましたが、将棋同様に佐藤名人は丁寧な受け答えでトークショーを盛り上げました。

左から、田中寅彦九段、佐藤天彦名人、森田正光さん、田丸昇九段、山口恵梨子女流二段。

女流棋士はお天気キャスターになれる?

山口:
 では早速ですが先生方から質問を聞いて頂こうかなと思います。

森田:
 恐縮ですね。すみません、僕なんかで(笑)。

田中:
 では、田中から。森田さんには色々と聞いてみたいことがあるのですが、最近将棋界にも女流プロが増えてきました。女流棋士とお天気キャスターを兼任することはできますかね?

森田:
 もちろんできますよ!

田中:
 山口さん、お天気キャスターはどう?

山口:
 私がデビューしたときから「きみ、お天気おねえさんにならないかい?」とずっとおっしゃっていますよね。私、将棋の才能ないのかなって思ったことがあります(笑)。

森田:
 山口さんならすぐになれると思いますよ。

田中:
 最近は女流も才能ある人がたくさんいるから、ちょうどいい人がいたら連れて行ってくださいよ。

森田:
 テレビの場合、オーディションに受からないといけないですが、山口さんならその美貌で一発でしょう!

山口:
 その気になってオーディションを受けて、全部落ちたら恥ずかしすぎるので(笑)。将棋を一所懸命に精進していきたいと思います。売り込んで頂いてありがとうございます(笑)。

気象予報の世界では約30年前から人間はコンピュータに負けている

佐藤:
 真面目な質問なのですが、「この気圧配置なら、過去何%の確率で雨が降った」というようにして予報してるというのは本当ですか。

森田:
 ほとんど正しいです。今はコンピュータに観測データを入れるとモデルによって、いくつかの答えが出ます。それを勘案して予報士は伝えているのです。面白いのが、気象の知識を持っている人より、物理方程式を解くプログラムができる人の方が重要なのです。それと同じで、将棋ソフトを作った人は将棋が強いわけではないが、将棋ソフトが出した答えは強いんですよね。

佐藤:
 コンピュータの出した答えに対して気象予報士の間で意見が割れることはありますか。

森田:
 昔はそういうこともありました、けれど今はコンピュータ通りの方が予報が当たります。短い時間ならまだ人間が自己裁量できますが、夕方に出す翌日の予報はもう人間の勝てる世界ではないです。

 1991年に台風30号という紀伊半島に上陸した台風があって、当時はまだ人間も気象予報をしていたのですね。そのときコンピュータが出した「台風が紀伊半島に上陸する」という答えを見たとき、初めは信じられなかったのですがその通りになったんですね。それ以来、コンピュータはあなどれないなと思っています。気象予報の世界では、30年位前から、だんだんと人間はコンピュータに敵わなくなっていきましたね。

田中:
 天彦名人の前で「人間がコンピュータに負ける」と言えるのは森田さんしかいないですね(笑)。

佐藤:
 まったく大丈夫ですよ(笑)。

森田:
 我々からすると棋士がコンピュータを勉強することはすごく良いことだと思います。格闘技として棋士を見る上で、コンピュータを勉強した棋士同士が戦うのはものすごく面白いということが分かったんです。それが去年から今年にかけての将棋界の隆盛だと思うんですよ。

佐藤:
 コンピュータが本格的に強くなったからこそ、棋士も研究に取り入れていこうという動きが出てきました。そんな中でも「わしはコンピュータなんか使わん!」という先生もいますが、色んな考え方を持った棋士がぶつかり合うのは面白いなと思いますね。

森田:
 個人の意見としては、コンピュータを使わない棋士は淘汰されていきますよ。

佐藤:
 今はまだコンピュータを使わないという先生も多いと思うんですが……。

森田:
 そうなんですか! 問題発言でしたね、すみません(笑)。

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