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ヨッピー&中川淳一郎、ネットにクソメディアが氾濫する理由を語る「ちゃんと取材して記事を書いたら大赤字なんですよ」

紙のプライドはまだ存在するのか? ウェブvs紙&電波の軋轢

ヨッピー:
 僕もそう思います。中川さんに聞きたいんですけど、一昔前って紙媒体でやっている紙のプライドみたいなものがあったと思うんです。

中川:
 あった!

ヨッピー:
 それって変わりつつあります?

中川:
 俺が『NEWSポストセブン』を始めたのが2010年。『女性セブン』『週刊ポスト』『マネーポスト』『SAPIO』の4つの雑誌を統合してウェブに再掲載するというサイトですね。あとはオリジナル記事も作るようにした。
 そのときに紙の編集者がどういう反応だったかというと、「勝手に我々が執筆して編集したものを使うな」と。それに対して俺たちは、ウェブ担当の小学館の人間とともに、紙の編集者やライターは尊重すると歩み寄ったわけです。俺だって元々は紙で書いていた人間だから、そこは当然尊重しますよって。

ヨッピー:
 ふむふむ。

中川:
 風向きが変わってきたのは、新書の一部内容を含んだ記事を『NEWSポストセブン』で掲載すると、Amazonの売上ランキングが跳ね上がるなど、明確にウェブの効果が表れ始めたときくらいから。新書の編集者から「ありがとう」と言ってもらえました。それに加えて、誌面の中では扱いが小さい記事でも、その中にはウェブでウケそうな記事が眠っているわけで、それをウェブに再掲載したときに思いの外、アクセスを弾き出して話題になったとき。それを書いた記者が、「ネットで話題になってくれてうれしい」と喜んでくれるようになったときに、風潮が変わってきたんだなぁと実感しましたね。それは「仙石官房長官、こんにゃくゼリーの形と硬さを政治主導で決定」みたいな誌面では小さな扱いのものだったりするけど、ネットではこの記事は人気があった。
 徐々に紙の記事がネットに出ることのうま味を知り始めて今に到るわけですが、『NEWSポストセブン』に関しては、そこに至るまでに3年くらいかかりましたね。

ヨッピー:
 なるほど~。僕なんかは紙を主戦場にしているライターさんや記者さんは、どんどんウェブに来たらいいのにって思うんですよ。ウェブのほうが反応が分かりやすいし、スピードも速い。それにファンもつきやすいです。
 紙で書いている寄稿者の名前を検索してツイッターを見つけてフォローまでしてくれるかというと、なかなかそうはいかないと思うんですね。ウェブだとダイレクトに寄稿者のSNSに飛べたりするわけじゃないですか。……でも、ネットメディアってやっぱり新聞や雑誌などに比べると、まだまだクオリティが低いと思います。

中川:
 うん。低い。

ヨッピー:
 僕はウェブメディアの代表者みたいに扱われるところもありますが、紙の方々の丁寧な取材や知識は、本当にスゴイと思います。そういった取材に対する丁寧なアプローチが、「いまのウェブメディアにはあるのか?」と言われれば、どうしても答えに窮してしまうところがある。

中川:
 安易に「マスゴミ」とか言わない方がいいと思いますよ、ホントに。

ヨッピー:
 僕もそう思います。

今よりもっと殺伐としていたテキストサイト全盛時代を振り返る

中川:
 実はヨッピーさんって、15年くらい前からブログをやっていてテキストサイト全盛時代に活動をしていたんですよね? テキストサイトの方がコメントも激しくて、2000年代前半までって殺伐としていたところがあったと思うんですけど、どうでした?

ヨッピー:
 それくらいの時期のインターネットって、バナー広告を貼るだけでめっちゃ叩かれていましたからね。「たかが日記で金儲けすんじゃねぇーー!」みたいな(笑)。

中川:
 ぺニオクステマ騒動とか、そんなレベルじゃない、と。

ヨッピー:
 今だったら当たり前のことなのに、当時はその程度で炎上ですよ。その象徴が、『侍魂』にバナー広告が導入されたときに2ちゃんねるがめっちゃ荒れた。あと、『ろじっくぱらだいす』というサイトの管理人さんが投げ銭システムを導入した際も、すごい勢いで叩かれていましたね……その頃に比べると、今はだいぶマシになったと思います。

中川:
 “ネットというのは、健全であってお金の匂いがしてはいけない”という信仰がいまだにあるよなぁ。そうそう、ここに来る途中の道で、「はてブ死ね」みたいなこと言ってましたよね?

ヨッピー:
 やめてくださいよ!(笑)

中川:
 その真意って?

ヨッピー:
 死ねとは思っていないですよ(笑)。ただ、『はてなブックマーク』って、“いいね!”にあたるスターを付けられるじゃないですか。あれって無制限で付けられるんですけど、僕が記事を書くと必ず僕の批判コメントを書く人がいるんです。さらにその批判するコメントにスターを連打するアンチ軍団がいる(笑)。無制限にそのスターを付けられるもんだからいい加減にくれ、って(笑)。
 僕が悪い事して怒られるのは全然いいんですけど、まったく別の話題の関係ない話でもアンチは関係なく批判コメントとスターを送り続けてくるもんだから、あのシステムはやめてほしいなぁ~くらいの話です。

中川:
 俺は、『ウェブはバカと暇人のもの』という本を出した際に、「はてな」の取締役だった梅田望夫さんを叩いたんだよね。「ウェブはそんな高尚なもんじゃない」って。結果的に、はてブ界隈を敵に回すようなことをしたから、いまだにその界隈からは嫌われている(苦笑)。
 梅田望夫さんを筆頭に、本来ウェブは世界を変えるツールになると思っていた人たちがいると思うんだけど、ところが、こんな具合でクソメディアが跋扈する現状になっている……きっと彼らが一番憂いていると思うんですよね。

ウェブはバカと暇人のもの
画像はAmazonより

ヨッピー:
 僕自身、はてブは好きですし、今でもブログを始めるのであればはてなブログがいいと思っています。というのも、ウェブ界隈の人は基本的にはてブをチェックしています。はてブって、バズった記事をまとめて見ることができるサイトでもあるので、はてブで目立つ=ネット編集者などの目につきやすく、仕事の幅が広がる可能性があるんですよ。そういう意味で、はてなブログから始めるのがいいと思うんですよね。

中川:
 でも、「はてブ死ね!」って思っているんでしょ?

ヨッピー:
 思ってないですよ! なんで「死ね」って言わせたがるんですか!(笑)

中川:
 そっか~。俺はこの前、はてなから仕事をいただいたので、完全に懐柔されてしまいましたよ。

ヨッピー:
 僕も仕事しているので、同じですよ(笑)。

中川:
 そういうことだよね(笑)。まぁ、人間はそんなもんだ。

ネットとうまく付き合う10か条、そしてウェブのギャランティー事情

中川:
 それではここからは『ネットは基本、クソメディア』の中でも触れているんですが、“ネットとうまく付き合う10か条”についてお話しできればと思います。

ヨッピー:
 ネットで仕事をしている人は必読の一冊でしょう!

中川:
 ありがとうございます! 

(コメントでステマステマステマステマステマステマステマステマと流れる)

中川:
 熱意あるコメントだなぁ(笑)。よっしゃ一発ステマでもしておくかッ!

中川:
 とんがりコーン最高!

ヨッピー:
 もう酔っぱらってるよ、この人(笑)。

中川:
 それではここに記載されている10か条を見ていただいて、ネットのクソ情報に騙されないでいただきたいなぁと思っています。というわけで、ユーザーの質問に答えて……。

ヨッピー:
 10か条、そんなんでいいんですか!?(笑) もっと解説とかいらないんですか?

中川:
 大丈夫、大丈夫! この放送を見ている人はネットリテラシーが高いだろうし、詳しくは本を読んでいいただければ! これがホントのステマですよ(笑)。

ヨッピー:
 だったら、質問にいきましょうかね(笑)。「今後生き残るキュレーションサイトは?」なんて質問が来てますね。

中川:
 キュレーションサイト自体が生き残るのかな?

ヨッピー:
 僕はしんどいと思います。記事一本にかけるコストがサイトによって異なり、だんだんと格差が生まれていますからね。

中川:
 だったらネットのギャラ事情について話しましょうか! 多分、皆さんも気になるところだと思うんで。

中川:
 俺は新聞で連載(890文字)しているんですけど、ギャラは35,000円です。

ヨッピー:
 ……中川さんがそれ言ったら、僕も話さざるを得ないじゃないですか(苦笑)。

中川:
 俺が勝手に話すだけだから大丈夫だよ。ヨッピーさんは?

ヨッピー:
 えッ!? いや、勝手に話すんじゃなかったんですか……。まぁ~その~僕は高いですよ……! 僕のインターネット記事一本の値段って、広告企画だと下手したら日本一高いかもしれません。その代わり、僕がネットで書く記事は、日本一、手間も予算もかかっていると思っていますよ!(汗)

中川:
 おおお! 

ヨッピー:
 ……まぁ、10万円以上はいただいてます……よ。

中川:
 それでいいんだよ! それくらいの価値があるんだから! 体張っているものもあるんだからさ。

ヨッピー:
 1~2日間、ずっと身体を使うことも当たり前ですからね。

中川:
 今までのウェブメディアって、“高いことは悪とする”という風潮があって、「ウェブメディアって安くていいんでしょ?」というバカな論理がどこかであったんですよ! そこにヨッピーさんは、手間がかかるのは、紙も電波もウェブも変わらないということを示したわけ。それにともないウェブライターの価値も上がってきたわけだから、お金はもらっていいんですよ。

ヨッピー:
 でも、僕はお金がすご~く欲しいわけじゃないんですよ。講演なんかは、内容が納得できるものであれば交通費はもらいますけどノーギャラで出ることも多いですし、その講演のあとに学生たち何十人か連れて彼らにジャンジャンおごったりもしますからね!

中川:
 ウェブで稼げる道しるべを作ってくださいよ!

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