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「『カーズ』一作目はディズニーピクサー映画の頂点」劇場版最新作『カーズ/クロスロード』も含めてシリーズを総括してみた

 7月23日に放送された『岡田斗司夫ゼミ』では、劇場公開中の『カーズ/クロスロード』について岡田斗司夫氏が見どころを語りました。

 岡田氏は本作の製作総指揮を務めたジョン・ラセター氏と、スタジオジブリの宮崎駿に関連性に注目し、本作を「ジョン・ラセターの早めの引退宣言」と解説します。

画像は『カーズ/クロスロード』公式サイトより。

世界のおもちゃ屋で大人気の『カーズ』

岡田:
 『カーズ』がどれくらいすごいかというと、今どの国のおもちゃ屋も大体同じ内容になっちゃってるんですよ。全体の3分の1はアクションフィギュア、3分の1はレゴ、残る3分の1は『カーズ』のオモチャばっかりなんですよね。

 カーズというのは、それ1つがジャンルになるくらいすごい。ハッキリ言って『スターウォーズ』よりよっぽど強いんですよ。少なくとも欧米の社会では浸透しているのが、カーズという作品の不思議さなんですね。

 日本ではそんなにカーズの商品が溢れてないですよね。でもトイザらスとかへ行く人は知っていると思うんですけど、トイザらスという量販店型のおもちゃ屋に行くと日本ですら、映画公開してない時でもカーズの商品がやたらとあるんですね。

 『きかんしゃトーマス』と同じようなものなんです。『きかんしゃトーマス』が持っている麻薬的な男の子にとっての魅力っていうのが、どうも欧米の小さいお友達にはあるみたいで、それが皆カーズに向くんですね。

岡田:
 さっき言った3分の1がアクションフィギュアについて、国によってバラつきがあって面白いんです。アメリカに行ったらアクションフィギュアの半分くらいは、スターウォーズとかマーベルヒーローなんかのスーパーヒーローモノなんですけど、残り半分は何故かプロレスラーなんですよ(笑)。

 ヨーロッパに行くとアクションフィギュアの半分くらいはやっぱりアメコミヒーローとかスターウォーズは同じなんですけど、残りは、何故かサッカー選手が売っている。そこが国ごとのオモチャ屋の眺めの違いなんです。ドイツに行ったらスターウォーズの隣に、サッカー選手が並んでいて、なんじゃこれは!? と思いました(笑)。

 何をヒーローとするかは、国ごとに違いがあるんですけども、日本に行くと、スターウォーズの隣にいわゆる萌え系キャラの美少女フィギュアがずらーっと並んでるんですね。

 要するにサッカー選手、プロレスラー、萌えキャラというのが、国ごとの差でありおもちゃ屋の差であって、基本的には残り3分の1はレゴ、残り3分の1はカーズという構図には変わりはないんですよ。

『カーズ2』がイマイチだったから期待していなかったが……

画像は『カーズ』Amazonより。

岡田:
 一作目の『カーズ』はジョン・ラセターの最高傑作であり、ディズニーピクサー映画の頂点だと思っているほど凄かったんですよ。

 ところが『カーズ2』はですね、その『カーズ』の1が持っていたテーマ性とか凄さというのが全然無くなちゃって、ただ単に世界各国を旅して、いろんな国を出して空飛ぶ車とかもいろいろ出してという、バラエティショーみたいな映画になっちゃったんですね。

 それがガッカリしたんで、3どうなのかな? と思って心配したんですけども、カーズ1程すごくないけど、カーズ2程酷くはないよ、という……まあ見りゃいいんじゃないですかという感じの作品になっています(笑)。

岡田:
 今回レースのシーンがすごいです。とにかく自動車が走るとゴムの破片が空中にバーッと舞うんですね。ゴムの破片というのは、ああいうカーレースの現場では当たり前なんですけど、カーレースってしょっちゅうタイヤ変えているじゃないですか。レースカーというのは、普通のタイヤと違うんですね。

 普通のタイヤのように何年も使えるようなワイヤー入りのタイヤではなくて、本当に消しゴムなんですよ。練ゴムのちょっと硬い目くらいのやつを想像してください。ざらざらの舗装した道路の上をぎゅんぎゅん走るんです。それもカーズに出てくるのって大体オーバルコースといういわゆる楕円コースで、どの車も左に曲がるだけなんですよね。だから車の作りも左右非対称に作ってるくらい、インディ500だったら、500周くらい周るんですけど……そんなレースをアメリカ人は熱狂して見るんですね。

 何が面白いのかっていうとやっぱり、もう本当に何十周か周ったらタイヤ屑が道路中に散乱しているんですね。延々コンクリートの地面を消しゴムをかけて走っているみたいなものです。

画像はインディカーレースの様子、佐藤琢磨 オフィシャルサイトより。

岡田:
 それでガーッと周る。F1レースがよく史上最速のスポーツって言われますけど、嘘なんですよ。F1カーって360キロくらいしか最高速度が出ないんですけど、カーズのモデルになっているようなインディ500と言われるやつっていうのは、時速370キロから80キロくらいの速さなんですね。

 それでF1コースみたいな複雑なコースではなくて、ひたすら楕円のコースをぐるぐる周って、その中で各社が競り合いながら走るという……スポーツ性が高いというよりは、はっきり言ってプロレスなんですよね。車の世界のプロレスみたいなレースなんですよ。

砂浜の疾走シーンはCG技術の挑戦だった

岡田:
 今回はタイヤのゴムのかけらが空中に舞うというのもそうなんですけども、物理表現として泥を表現しているんですね。泥というのは液体でもなく固体でもない中間的な存在で、これまでCGとして扱うのはタブーと言われていたやつなんです。それにピクサーは挑戦してますね。泥だらけの道を走るとか、泥まみれになるというのをやってるんですけど。

 こういうのが表現できるようになったので、『カーズ/クロスロード』ではですね、主人公のマックィーンと弟子となるような女の子の車が砂浜を走るシーンというのがあるんですね。別に砂浜を走るシーン、そんな難しくないだろう。ああ波が面倒くさいかなって考えるんですけど、違って、砂浜って何が面倒くさいかって、固体であるはずの砂粒が、水分によって微妙にくっついて半分液体半分固体になるんですって。

画像は『カーズ/クロスロード』公式サイトより。

岡田:
 だから砂浜で走ると固まった砂が跳ね上がるんですね。これがこれまでのCGの技術では表現できなかったので、実は巧みに、砂浜を走るシーンというのはないんですよ。この間公開していたディズニーの『モアナと伝説の海』でも砂浜を走るシーンで、あまり砂を映さないようにするというやり方で逃げていたんですけども、カーズではそこでど真ん中に挑戦してましたね。

 跳ね上がった砂でどのようにタイヤの跡がつくのかとかですね、あとそれが乾いた部分を走っている車と湿った部分を走っている車ではどのように違うのかというのを計算しながらやっている。おまけに後ろでは波がだんだん来ているから、めちゃめちゃ手間がかかったシーンになっているそうです。

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