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〈なぜ神宮外苑火災は起きたのか〉小飼弾が分析「死なない程度の火遊びをすべき」

 11月6日の夕方に東京都新宿区の明治神宮外苑で行われていたイベント「東京デザインウィーク」で起きた火災事故。学生による展示物のおがくずが敷き詰められた木製のジャングルジムで、子供達が遊んでいる最中に出火し、5歳の男児が逃げ遅れ亡くなったという。

 「消防法に基づいた対策は講じられていた」というが、いかにも燃えやすいと指摘される展示物が何故作られ、そのまま展示され火災へ至ったのか? 小飼弾氏山路達也氏は11月7日の『ニコ論壇時評』で、その背景に「コレは危ない!」と気付くような体験をする機会そのものが無くなってしまったことを指摘した。


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燃える前のヤツをひと目見てファイアーハザードだ!と思った

山路:
 これは非常に痛ましいニュースですけど、神宮外苑で行われた東京デザインウィークですね。どういう事件かというと、展示物の一つがおがくずを使ったジャングルジムみたいなものだったんですね。そこに白熱灯を使っていて、それが火災の原因になったらしいという。それで5歳の男の子がやけどで亡くなった、非常に痛ましい事件なのですけれども……。

小飼:
 あれは、びっくりした! なんでびっくりしたかと言いますと、僕、実はマンションの理事長をやっていたこともありまして、当然、消防署とのやり取りがあるわけですよ。

山路:
 監査と言うか、検査に来るわけですか?

小飼:
 そうです。もちろん管理会社の方で予めこうしておくというのはあるのですけれど、その管理会社が手配したものでも「コレ消防法に抵触します。コレ駄目です。アレ駄目です」ってバンバンダメ出しされたんです。

山路:
 そんなにダメ出しが! 例えばどんなダメ出しがあるんですか?

小飼:
 例えば廊下に物をおくっていうのは、脱出経路を塞いじゃうコトになるからダメだとかね。そういったところが結構消防法はうるさいんです。消防署の方といっしょに歩いて、コレはこういう問題がある、アレはああいう問題があるというコトもあったので、燃える前のヤツをひと目見てファイアーハザードだ! と思いましたもん。

山路:
 そりゃあ燃えるわな! みたいな感じの。でもどうして、そこまで熱心に仕事をしている消防署の人が見付けられなかったのかって、ちょっと不思議なところですね。ブログ記事等でも東京デザインウィークでは今まで、そういう燃えるような展示、燃えそうな感じの展示に関しては色々クレームも来ていた、クレームをしていたという人は居たらしいんですけどもね。

小飼:
 レギュレーションでも、ちゃんと消防署の監査の対象になります。基本的に物は難燃剤で作ってくださいねと書いてあったんですけど、多分キチッと目を通してなかったのでしょうね。

火を直接扱うコトが無くなって、火が危ない、燃えそうだと気付く機会が無くなった

山路:
 主催者が謝罪コメントを出したりとか、展示物を作った学生が所属している大学の学長が責任は大学にあると言うようなことをいち早く謝罪というか、メッセージを出したりしています。

小飼:
 でも、たぶん作っていた人は、こういうふうにすると文字通り炎上するっていうコトにピンときてたのかな? という……

山路:
 その辺の燃えそうだという感覚がなかったっていうか、勘が働かなかったというか。

小飼:
 そうそう。僕はひと目見てこれはやばいと思ったんですけれども、その一方、たぶん普通の僕くらいの年齢の方よりも、僕は燃えるものに関してはちょっとは詳しいと思います。僕自身実家は全焼で一度失っていますしね。だからそう見えてしまうのかもしれない一方、実際にあれを作った大学生の皆さんっていうのは、10代後半から20代前半なわけですよね。ということは、それくらいの世代の人は直に火の始末をする経験があるんですかね?

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山路:
 考えてみると、最近、生の火というのも変ですけど、火を直接扱う機会というのが自分でもあんまりないなと、私タバコを吸わないのでライター付けないし、家のコンロも自動停止機能とかがしっかりしていて……。

小飼:
 ましてIHとかだったら炎すら見えないわけです。それに相当するものすら無いわけですよね。

山路:
 結構、火やそういう危ないものに対する感覚が弱かったんじゃないのか? と思われますか?

小飼:
 世の中の色々なものに安全装置を付けたり、根本的な危険要因を取り除いたのは良いのだけれども……。そうすると、それまでの人であれば物心つく頃にコレは危ないと気付く機会まで無くなっちゃったのかな?という感じがしましたね。あれを見た時に。

安全になったが、適切な危険を体験するというコトが難しい課題となった

山路:
 どうやって、そういうものを教えていけば良いものですかね?

小飼:
 やっぱり火遊びをすることですかねぇ、死なない程度に。そういったことはするべきですね。

山路:
 キャンプに行ってみてやるとか、家なんかでもちょっと火を使わせてみるとか。なんか、マッドサイエンスでしたっけ? そういう本ありましたよね。

小飼:
 オライリーから丁度そんなような本が出ていました。『子どもが体験するべき50の危険なこと』ですね。基本的にちょっと怪我してもおかしくないぞというものではある。

山路:
 前に弾さんが、最近学校なんかの家庭科でも包丁を使わせないようになっていると言っていたりしましたよね。その話を聞いた時、それってちょっと極端すぎやしませんか?と思ったのですけれども。だけど、富裕層が行くちょっとお金がかかる塾なんかでは多少危険な理科実験をやらせたりとかするわけですよね。危険を味わうためにむしろ金かかるようになっているところがありますよね。最近。

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小飼:
 やっぱり、怖いものを見たら怖いという感覚は実際に怖い目にあってみないと、その対象物からなんらかの危機を得ないと、分からないみたいで。要するに生まれつきではないと。例えば、僕もそうなんですけど、僕の妹とかもゴキブリとか平気なんですよ。なぜかって言うと……。

山路:
 見たことがないから。

小飼:
 あんまり居なかったし、居たところで別に何か悪さをするわけでもなし。でも実際にはゴキブリは実はネズミほど危険ではないんですけれども、それでも病原菌を媒介したりもする訳ですよね。

山路:
 北海道の人にゴキブリを見せると、わりと反応が鈍いみたいな。

小飼:
 そうそう。あと、泥に浸かった手足を洗わないと、最悪破傷風になったりもしますからね。

山路:
 この火災事故自体は非常に痛ましいし、責任問題ということもあったりはすると思うんですけど、結構その背景になんかそういう……。

小飼:
 責めるのは簡単なんだけれども、方向として我々が進んできた方角というのは、正しいとは思うんですよ。

山路:
 安全にしていく。

小飼:
 そう。火災は怖いのでガスコンロとかもちゃんと温度センサーを付けて、空焚きしそうになったら止まるとかね。

山路:
 それで随分救われている人もいるのでしょうけどね。適切な危険を味合わせるという難しい課題に直面していますよね。

小飼:
 なんと言えばいいのかな。職業体験させるキッザニアという施設があるのですけれども。東京だと豊洲にあるのかな。あの手の施設で、やっぱり膝くらい擦りむいてくっていうのが、あるいは指先くらい火傷するのが良いのではないでしょうか。

 

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