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ドワンゴ喫煙室で議論する“行き過ぎたタバコ規制”森永卓郎「タバコを吸ってはやく死のう」

禁煙運動は国家が戦争に向かう直前の雰囲気に似ている

山森:
 今、国会に出されようとしている『受動喫煙防止法案』というのは、自民党が厚労省とバチバチやっているという話もありますけれども。

山路:
 今の状況はどうなんですか?

山森:
 最初、厚労省が出してきたのが、全面室内禁煙。「それじゃダメだよ」という事で、その次に妥協案を出したのが30㎡以内の小さいバー、スナックであれば喫煙はOKという話がありました。それに自民党たばこ議員連盟が猛反発して、「そんなのは分煙ステッカーで十分だ」という事で、闘ってくれているんです。

山路:
 自民党を応援したいねぇ(笑)。

山森:
 タバコに関しては、何党とかイデオロギーは関係ないですからね。

森永:
 今の厚生労働省の法案の
一番の問題は何かと言うと、元々は「受動喫煙防止」って言っていた。ところが、今の法案の中身っていうのは喫煙者いじめ。「喫煙者をせん滅しよう」って言っている。

山路:
 受動喫煙はもらい煙みたいなもんじゃないですか。そもそも、「喫煙者を無くしてしまえ」というのが厚労省の案なの?

森永:
 例えばレストランだと、喫煙ルームを作るっていうのは、新しい法律の下でもOKなんですけれど、その喫煙ルームに飲食を提供した途端、罰則の対象になるんですよ。

山路:
 それはどういう事?

森永:
 喫煙ルームで飲み食いしちゃ違法になるんです。それは、おかしいわけですよ。(違法になる理由として)「配膳をする人が受動喫煙をする」って言うんだったら、「厨房に喫煙者が料理とかお酒を取りに行って、持って帰ってそこで飲んじゃダメなんですか」って聞いたら、ダメなんだって。結局、(排除したいのは)受動喫煙じゃなくて、喫煙者っていうマイノリティーなんですよ。

山路:
 喫煙とか禁煙の問題ってね、健康の問題以前に民主主義の問題だと思いますよ。(喫煙者である)我々のような少数派が生きていけるような国でなければ、本来は民主主義の国ではない。そこに僕は物凄い無言の圧力を感じているんです。ただ、凄く気持ち悪いのは、(禁煙の)環境が整っていくと、自分の心の中に抑制的な物が働いていくんです。ファシズムに負けていきそうな感じ。声を上げるのも難しくなる。

山路:
 『喫煙者はダメな人間』的な雰囲気があるじゃないですか。そういう事も口に出しづらくなって、だんだん自分の心の中から生まれてくる抑制感みたいな物は、危険だなと思って。戦争が起きる時って、そうなんですよ。ファシズムの世界が広がっていって、皆が戦争に向かっていく時に、言葉には出せないんです。ナチス支配下のドイツ人なんかで、たくさんナチスに反対している人がいるんですよ。でもそれは声として響いていかなくなっちゃう。

森永:
 山路さんが仰った事はとても重要で、独裁者は禁煙運動を推進するんです。ヒトラーにしろ、ムッソリーニにしろ、同じ事をやったんです。自分と違うライフスタイルの存在を認めないという事です。

喫煙権と嫌煙権、強いのは圧倒的に後者

山森:
 (厚労省は)これだけ受動喫煙の事を言っておきながら、「6畳の部屋で1時間タバコを吸っている人の横に居たらこういう被害がありますよ」とか、そういう事をデータでは出せてないんですよ。もう1つ、私、厚生労働省に電話をして「例えば、東京ドームの1塁側でタバコを1本吸った人が3塁側に行ったら、これも受動喫煙なんですか」って聞いたんです。そしたら「そうです」って答えたんです。これってどうなんですかね。

森永:
 そこが問題で、「タバコの微粒子の1粒たりとも許さない」っていう極めて強行というか、おかしなレベルですよ。世の中、人間が暮らしていれば、騒音にしても、いろんな事で摩擦は起こるわけですよ。

栗原:
 タバコが問題になる陰に、日照権があるんですよね。日照権の問題から派生してタバコの嫌煙権に派生するという流れがあるんです。

山路:
 日照権も同じですよね。法律的には建てる事が出来るのに、「日が当たらなくなるのが嫌だ」って。これは、どうなんですかね。

栗原:
 多分、受動喫煙に関して100%の因果関係を証明する事は出来ないと僕は思うんですよ。(健康被害に及ぶ)可能性があるというレベルで、「(受動喫煙は)嫌だ」という人がいれば、「その人の人権は?」という話になっちゃうじゃないですか。吸う人の人権と吸わない人の人権を比較すると、やはり吸わない人の人権の方が強いですよね。微粒子1個でも許さない、というような「PM2.5」的な主張も成立してしまうわけですよ。

山路:
 吸わない人は吸わなきゃいいし、吸いたい人はもちろん迷惑かけない範囲で吸えれば良いんじゃないのって思っちゃうけど。

山森:
 それはまさに「分煙対策じゃダメなんでしょうか」って思います。

栗原:
 分煙も結局、喫煙ルームから出た瞬間にタバコの微粒子が飛んじゃうんですよね。

森永:
 私はそこまで極端な権利主張をするのは、せいぜい2、3割の人がそう思っているだけで、6割くらいの人は横で吸われたら嫌だけど、1粒たりとも許せないっていうのはないと思うな。

栗原:
 三次喫煙【※】っていうのがあるじゃないですか。髪の毛とかについている微粒子が健康被害を起こすんだという論調が出て来ているんですよね。

※三次喫煙
タバコを消した後の残留物から有害物質を吸入すること。

森永:
 お医者さんに聞いたら、都会に住んでいてタバコを吸わない人でも、肺は真っ黒らしいですよ(笑)。

山森:
 それは排ガスでしょうね。でも、排ガスっていうのは、(タバコと比較して)あまり臭くないので、(健康被害が)分からないというのがありますからね。

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