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事故物件の見分け方を大島てるがレクチャー。「一部分だけリフォーム」「登記簿の相続日が“不詳”」など今すぐ役立つノウハウを大公開

 急に引っ越しをしなければならなくなったとき、家賃の安さに惹かれて安易に物件を選んでしまっていませんか? ひょっとするとその物件は“いわくつき”の事故物件の可能性も。

 殺人、自殺…様々な理由により、いわくつきとなってしまった事故物件を徹底的に語り尽くすniconico生放送番組「事故物件ラボ」には、MCとして事故物件公示サイト「大島てる」管理人の大島てる氏@Oshimaland)と、事故物件住みます芸人の松原タニシ氏@tanishisuki)のふたりが出演。今回は無類のホラー好きであるお笑い芸人の長州小力氏がゲストとして登場しました。

 放送では「事故物件の見分け方」と題し、大島氏が「建物の一部分だけリフォームされている」「名前が変わった」「登記事項証明書の相続日」「空室なのに募集がかからない」など、事故物件を見分ける特徴を実際の事故物件の写真を交えつつ解説しました。

左から大島てる氏松原タニシ氏長州小力氏

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ケース1:建物の一部分だけリフォームされている

松原:
 事故物件公示サイト「大島てる」を一緒に見ながら事故物件の見分け方を学んでいくコーナーとなっております。皆さんも知らないうちに事故物件に住んじゃっているかもしれません。そうならないように“てるさん流”で詳しく説明していきます。てるさんよろしくお願いします。

大島てる:
 まずそもそもの話として、賃貸の場合に家賃が異常に安い場合があります。売買の物件で言えば販売価格が相場と比べて安い場合、これは言うまでもないといいますか……当たり前の話です。

 逆に言うと異様に安いせいでバレてしまうことを防ぐためにも、事故物件であることを隠したいような業者や大家であればそもそも安くさえしないということになるので、「事故物件って安いんでしょう? だったらオトクじゃないか」と。「気にするのが馬鹿らしい」と言って片付けるのはちょっと早いわけです。

 世の中には安くない事故物件がたくさんあって、そんなところだったらタニシさんもキレちゃうと思うんですよ。何も得しないですから。

松原:
 キレないですよ(笑)。

長州:
 イラっとする?

松原:
 そうですね。キレるまではいかないですけれども、イラッとはするかも。

大島てる:
 ですから家賃が安いというのはそもそもの話として、ここでは脇に置いておきます。その上で一見分かりにくいような事故物件がどうなっているのか。これはあくまでも一例として紹介したい物件です。こんな感じの物件は日本全国いくらでもあります。ここは鉄筋コンクリートのマンションで、ある一室で火事があってお亡くなりになった方がいます。

 木造のアパートであればそれに伴って全焼取り壊し、建て替え、あるいは更地というパターンなんですが、ここの場合は鉄筋コンクリートでした。なので、その部屋が燃えたからといって、それでおしまいということにはならなくて、私が現地に調査に行った時も使われていました。もちろんリフォームが必要なわけですけれども。ちなみにいくつかある部屋のうち、どこが現場だか分かりますか?

長州:
 どこも綺麗だけど……。手前の2階、自動販売機の上かな?

大島てる:
 正解です。2階の自動販売機の真上の部屋だけペンキを塗り替えたのが新しいために、他の部分と比べて確かに差ができている。これはわざと色を違うようにしているのではなくて、もともと昔の塗ったと最近塗ったのとでは差ができてしまうと。じゃあ全部塗り変えればいいじゃないかとなるんですけれども、それはお金もかかる。そこまでする意味がないということで、一部分だけリフォームしていると。

 このクイズのような形でお尋ねすると、たまに「1階の駐車場じゃないか」と言われることがあります。それも確かに別の物件ではある話です。つまり1階がもともと住居部分だったと。それが事件事故が起きて、今は駐車場にしているということはあります。

 これは見分け方ではあるんですが、決してオーナーや大家さんがごまかしたくてこういうことをしているわけではないんですよ。お金をかけてリフォームをして色を塗り替えて、その結果、よく見ると気づかれてしまう。ただそれだけのことで、決してごまかしたくてこうしているわけではないと。

必ずしも事故物件だから家賃が下がるとは限らない

大島てる:
 次に進んでもいいんですけれども、その前に一言つけさせて加えたいのですが、ここで家賃がどうなるのかということなんですよ。鉄筋コンクリートのマンションの場合、先ほどの繰り返しになりますけれども、一部屋で火事になったからといって即立て替えということにならないわけですよ。

 そうやってお金をかけてリフォームをするので、火事の前と後、事故物件になる前と後と比べた時に家賃が上がっているケースがあるんです。ちょっと込み入った話なんですけれども説明したいと思います。 もともと家賃5万円のボロい部屋があったとしましょう。そこで火事があった、あるいは孤独死で床から壁から天井から全部塗り替える、張り替える必要性が生じたとします。

 これがボロアパートで火事だと全部建て替えるしかないんですけれども、鉄筋コンクリートなんでその部屋だけ事故物件になったからといって建て替えるのはもったいないわけです。他の部屋は何でもないわけですから。ではその事故物件化した部屋を何とかしようということでフルリフォームするわけですよ。そうすると事故物件でさえなければ、たとえば月10万円取れるくらいのグレードアップした部屋になっていたりするんですね。

 そういう部屋になっているところも私はお邪魔したことがあるんですけれども、「事故物件だ」ということで割引をするわけですよ。そうすると今の数字の例で言えば、もともと5万円の家賃の部屋が10万円取れるような部屋にランクが上がっている。でも割引してたとえば7万円とかにするとか。そうすると数字だけ見ると、5万円が7万円に上がったというように見えてしまうと。

 ですから必ずしも家賃が下がるわけではない。ただ部屋自体は良くなっていると。

松原:
 告知はしているということですよね。ただ家賃自体が上がって、そこから下げているということですね。

大島てる:
 そういうことがあります。一部分だけリフォームしている例として先ほどは沖縄のアパートなんですけれども、これが複数がある中でひとつの部屋だけがリフォームされているという意味での一部分だけのリフォームであるわけですね。

 ですが一部分だけリフォームというのにはもう一種類の意味合いがありまして、たとえばトイレやバス、お風呂はボロボロ。キッチンもエントランスもボロボロ。でも和室だけが綺麗、畳が1畳だけ綺麗。そういう意味での一部分だけ綺麗になっているというパターンがあります。

 一部分だけリフォームするというと、今申し上げたように号室単位の話なのか、間取りの中での話なのかと二種類の意味合いがあります。

 たとえばクローゼットで首吊り自殺をしたと。そこで汚れてしまったと。だからクローゼットだけリフォームされている。他はボロボロというようなパターンもあります。それは見分け方にもなります。ただお金をかけて、せめて一部分だけでも綺麗にして次の人に気持ちよく住んでもらおうというオーナーさんのご好意の表れですから、騙そうということとは違うということになります。

 ですから最初に異常に家賃が安いというのがそもそもの話として置いておいて、実質的な話として一部分だけリフォームの話をしました。一部分のリフォームだけにはニ通りの意味があると申し上げました。

ケース2:建物のシルエットは同一だが名前と外壁色が変更された

大島てる:
 続いての例として、今度はサイトのほうでいろいろと例があるので、必ずしも今からお見せするものに限ったことではないんですけれども、こういうものがありまして……。

(画像は大島てる事故物件公示サイトより)

 ここはラブホテルでして、こういうピンク色の壁のホテルで殺人事件が起きました。これが殺人と言っても絞殺で絞め殺したわけですから、何か刃物で刺したとか銃で撃ったとかではないので、たとえばうじ虫が湧いているとか、ハエがたかっているとか、ぐちゃぐちゃに腐っているとかということはなくて……お漏らしぐらいはしていると思いますけれども、おそらくは綺麗なご遺体だったわけです。

 それで警察が来て亡くなられた方の遺体も運び出されて、当然シーツ布団は変えるだけですけれども、あとは引き続き他のお客さんを泊めたり使ってもらうことは、本当は可能なわけですよね。たとえば血だらけになったりしているわけではないですから。でも殺人事件だということでワイドショーでも散々大きくセンセーショナルに報道されてしまってピンク色の建物だということが伝わってしまったと。

 たとえば配慮してモザイクをかけても、ピンク色だっていうことは伝わるわけですよ。なのでどうしたかと言うと、私が改めてしばらくたってからもう一度現地に行ったらこんなふうになっていたと。

(画像は大島てる事故物件公示サイトより)

 これは同じ建物です。本来はシルエットを変えたいはずなんですよ。たとえば四角い建物を三角形とかにすれば、あからさま違う建物ですから。でもさすがにそれはお金がかかると。だから色を塗り替えようということになります。当然、外を塗り替えるというのはかなりお金がかかるにもかかわらず、外側が塗り変わったからといって泊まる方にとっては何も得をしないんですよ。

 明らかにネガティブなイメージを払拭したい、ただそれだけなんだろうなと。つまり、見分け方であると同時に、ごまかし方であるということになるわけです。先ほどの物件の時のように、事件のあった部屋だけ塗り替えているというわけではないです。なぜかと言うと、外側が火事とかで黒コゲになったわけではないのに、全体的に塗り替えています。

 画像検索対策でもありますし、口コミで「ピンク色のホテルで事件があったよ」というような伝わり方はしますから、こういうふうに色を塗り替えると効果てきめんだと。これが見分け方のひとつになります。実は、この物件はもうひとつの見分け方ができます。名前がここに出ております。

 ここに名前が出ていて、事件前の写真をもう一度お見せすると読みづらいのですがかつての名称がここに出ております。

色の塗替えと同時に看板に書かれた名称も変わっていた。

 名前も変わっていると。色は映像メディア、テレビとかの対策なんですが、文字というのは検索した時のテキストの対策です。

 名前を変えるなんていうのは、まったくお金がかからないですよね。せいぜい看板を変えるくらい。住む人、使う人には何もいいことではなく、お金をかけるつもりもないということになります。

長州:
 実際、お客さんは来なくなるもんなんですかね? アパートとかマンションなら住むと考えたら嫌だけれど、こういう公共の場だからなんとなく知らなきゃ行っちゃうのかな?

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