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地上波では無理? HIV患者受け入れの“エイズ寺”に行ってみたら、謎オブジェやミイラ標本てんこ盛りでカオスだった【写真あり】

 “微笑みの国”――タイ。東南アジアに位置するこの国は、温暖な気候やスパイシーかつバラエティに富んだタイ料理などで、日本人にとっても人気の観光スポットとなっています。

 そんなタイに通称「エイズ寺」と呼ばれる寺院があるのをご存知でしょうか? 現在でこそ政府や慈善団体による啓蒙活動でタイのHIVの新規感染者は減りつつありますが、タイ保健省によると、国内で報告があったエイズ患者は1984年9月から2011年11月で累計37万人を超えています。
 その寺院、プラバートナンプ寺ではHIVキャリア【※】やエイズ患者の受け入れをおこなっており、寺院が受け入れた患者のなかには、貧困層の出身者や身寄りがなく寺院の前に“棄てられた”患者もいるとか。

※キャリア
病原性のあるウイルスを体内に持続的に所持していながら、症状を呈さない健康な状態にある人を指す。

 『禁断の現場に行ってきた!!』『ホームレス大博覧会』などの著者としても知られる“タブーなこと語り”のトップランナー・村田らむ氏@rumrumrumrum)と、人気TV番組TBS系「クレイジージャーニー」への出演でも知られるジャーナリスト・丸山ゴンザレス氏@marugon)両名がMCを務める「村田らむ×丸山ゴンザレスの『やべえ話』」では、先程紹介したプラバートナンプ寺についての話題をピックアップ。

 本記事では、寺院に存在した「エイズの母子感染で亡くなった赤ん坊のミイラ」「亡くなったエイズ患者の骨で作られたアート群」など、地上波では放送不可能になりそうな内容を村田氏が撮影した貴重な写真資料とともお送りします。

※本記事には過激な画像が多く含まれます。閲覧の際はご注意ください。

左から丸山ゴンザレス氏村田らむ氏

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タイに存在する「エイズ寺」とは!?

村田:
 じゃあ、いっちゃいますか! 「エイズ寺」。エイズ寺という言い方もアレですけどもね(笑)。バンコクから3時間半ぐらい車で行ったところなんで、あんまり人は行かない感じのかなりの田舎ですね。

丸山:
 バンコクを離れると……みんなバンコク以外に行かないですからね。

(撮影:村田らむ)

村田:
 だから、何でもないところですね。着くとこんな感じでした。これは、誰か偉い人が何かしたのかな? これも、ガイドのおやじが何にも喋れないからよくわからなかった(笑)。

丸山:
 これは、国王陛下のラーマ9世【※】ですね。

※ラーマ9世
別名、プーミポン・アドゥンヤデート。第9代のタイ王国の国王。2016年10月13日死去。

(撮影:村田らむ)

村田:
 本当に立派なお寺さんなんですよね。こうバーッと階段があって……。

丸山:
 普通のお寺ですね。「タイの寺院は金ピカだ」ってよく言いますけど、日本のお寺ももともとはこういう色だったんですよ。日本のは色が落ちていっただけですよ。

村田:
 だから、塗り直した赤いお寺とかありますもんね。ちゃんとしたきれいなお寺さんでしたね。

丸山:
 ここ、エイズ寺ですよね?

(撮影:村田らむ)

村田:
 そうですね。ここにいろんなものに乗っていて、もっとたくさんあったんですけど。右がガルーダですか? トラとか、いろんな十二支のモニュメントとか。ただ、こういう医療的な施設がありまして、そこに行くと、病院とまではいかなくても、結局病院のような感じですね。

(撮影:村田らむ)

丸山:
 いわゆるホスピス【※】的な感じですか?

※ホスピス
終末期の医療および看護を行う施設。

村田:
 そうですね。結局、捨てられたエイズの方たちがいて、その方たちが亡くなるまで面倒を見て、最期まで看取る施設になったということでした。いわゆる治すというよりは、ここで死を待つ人、発病した人とかが多くて。

丸山:
 ホスピスとかサナトリウム【※】とか……そういう系のやつですね。

※サナトリウム
長期的な療養を必要とする人のための療養所。

村田:
 案内してくれた方もキャリアの方でしたね、結構きれいな女性でしたけど……。

丸山:
 もう少し看板の作り方を考えたほうがいいかな……。

(撮影:村田らむ)

 でも、物見遊山かと思われがちかも知れないけど、こうやってこのお寺に行く人が落としていくお金で運営しているってことですよね?

村田:
 そうなんですよ。結局、完全にタダなので、こうやって落としてくれるお金のみで運営しているところなんですよ。だから入院されている方からはお金を取らないかたちで運営しているんですよね。薬で病状を抑えるのに、ものすごいお金がかかるんですよ。だから……なかなか難しいんですよね。

丸山:
 そうなんです。そんな簡単に薬だけでは……ここはそれをやってても、人を集めていかなきゃいけない場所なんですよね。

(撮影:村田らむ)

施設の入り口に並べられた奇妙なオブジェの正体は……

村田:
 やっぱりお客さんを呼んで、お金を落としてもらわないといけないわけで。それでちょっとした博物館をお寺がやっています。そこが博物館の入り口のとこなんですが……。

(撮影:村田らむ)

丸山:
 このオブジェは何なんですか?

村田:
 奇妙な粘土が転がっているんですけれども……。

丸山:
 奇妙すぎる! これは何なんですか?

村田:
 アートオブボーンという、エイズで亡くなった方の骨を打ち砕き、ろうに混ぜ、像にしているというですね……。

丸山:
 この現代アートは許されるんですか?

村田:
 ぶっちゃけ外国人、ヨーロッパの人がすごい怒ってきたりしているらしいんですよ。

丸山:
 「じゃあ、寄付しろよ」って言い返すだけですね、この人たちは。もう一つの考え方としては、タイってお墓がないんです【※】。そういう意味では、骨つぼに入って寺院に納められてるのがいいのか、身寄りのない人でも、こうやってこの寺に入ってくる人たちのために「私の骨で作って」という……そういう考え方をしてる人ももちろんいたでしょう。だから、こういうのが成り立つということですよね。

※タイってお墓がない
タイ国民の大半は仏教を信教にしており、早く来世に輪廻転生するために墓を建てる習慣がない。一般的にタイでは遺骨は散骨される。

村田:
 でもこれはまだ、序の口なんですよ。

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