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海外配給の『シン・ゴジラ』興行収入100万円以下の国も。“なぜ海外で受け入れられなかったのか”理由を考えてみた

 国内で興行収入82億円を売り上げ、日本アカデミー賞では作品賞や監督賞など主要部門を独占した『シン・ゴジラ』が、海外では受け入れられなかった事が話題に。

 3月19日配信の『岡田斗司夫ゼミ』では上記の話題を受けて、岡田斗司夫氏が「主人公クラスに家族が描かれていないと、子供向けの映画に分類されてしまう」と、海外で人気が出なかった理由を考察した。


画像は映画『シン・ゴジラ』公式サイトより。

日本での大ヒットに隠れる形で、海外では予想以上の大爆死

岡田:
 では今日一発目の話しですね。『シン・ゴジラ』いきましょうか。『シン・ゴジラ』日本中の映画誌を総なめ状態ですよね。

 日本アカデミー賞もあんなにとるとは思わなかったんですけども、しかし、アサ芸の電子版、アサ芸プラスというところに、とんでもない記事が載っていました。「最近大ヒットした映画『シン・ゴジラ』は国内では興行収入82億売上、日本が誇る世界的モンスターに新たな命を吹き込んだとも評価された。日本アカデミー賞では、本命と言われた『怒り』を押さえ、作品賞や監督賞など主要部門を独占、合計で7部門獲得するにいたった。」喜ばしい事ですよね。

 オタク業界としては、ハッピーハッピーです。「配給会社も出演者も、ほくほくだったが、実は日本での大ヒットに隠れる形で、かなり残念な話もある。世界的に名の通っている『シン・ゴジラ』が海外で予想以上の大爆死。どすべりを繰り返しているというのだ。」

 映画専門ライターが書いているんですけども「この作品は、日本の国防、防衛をテーマにしたとしても、とてもドメスティックな作品でした。会話も多く、翻訳もしづらかったんでしょう。それだけに海外でウケるか、半信半疑だった人も多かった。でもゴジラの知名度と、海外でも人気の『エヴァンゲリオン』の庵野秀明ということもあり、海外配給も順調にいったと聞いているのですが。」

 海外配給は本当に順調にいって、いろんな国に売れたんですね。「ふたを開ければ、台湾香港といったアジアでまず、不発。」これはもう意外だったですね。台湾アジアは、こういう日本のドメスティックなものも、日本のアイドルもかなり受け入れてくれるから、これいけるだろうとみんな、実は映画関係者だけでなく、僕みたいな門外漢でも、台湾は行けるだろうと思ったら、まずここで、どすべり。

 北アメリカでは、大規模でない都市型興業だったら、ランキングで初登場19位、でも翌週から36位、59位と、急降下。最終的に興業も2億1千万程度と話題にすらあがらなかった。

 さらにゴジラに馴染みの薄いヨーロッパでは、スペインでなんとか興業にこぎつけたが、なんと91万円、興行収入91万円という残念過ぎる売上。つまりほとんど話題になっていない。だからといって、国内の評価が下がるわけではないが、(ヨーロッパの意見ですね。)「国防を怪獣を使ってでしか、説明できないのは幼稚、など欧米では辛辣な意見も少なくなかっただけに、やはりテーマが受けなかったことは間違いない。」というふうに載っていました。91万円はすごいですね。

幼稚だから「こけた」というのは一部の人の意見に過ぎない。

岡田:
 これに反論するならば、国の在り方を怪獣映画で語るっていうのは、僕は、それは高度な抽象化だと思うんですよね。高度な抽象化であり、幼稚とは全く真逆の方法なんですよ。

 もし、国の防衛とか、そういう大テーマを、政治大テーマを怪獣映画の形で語るというのが幼稚だというんだったら、人間の愛憎を白鳥のダンスで語る『白鳥の湖』どうなんだとか、『オペラ座の怪人』どうなんだと、全部幼稚っていうことになっちゃうし、高等数学をロリータファンタジーで語るという『鏡の国のアリス』はどうなるんだと、思っちゃうんですよ。

 「それだって幼稚じゃん」って思うんですけども、なので、こけたのは事実なんですよ。こけたのは、幼稚と受け取られたからっていうのは、それはもう一部の人の意見に過ぎない。もっとちゃんとした理由があると思うんですよね。

 『君の名は。』が全世界でヒットしてるんだから、本当に面白ければ全世界でヒットするはず。僕は、『シン・ゴジラ』が公開された時に、自分自身の採点として、映画としては80点、『エヴァンゲリオン』の続編としては120点、というふうに言ったんですね。

 なんで、80点といったのか、マイナス20点の部分は、何かっていうと、去年の夏に語ったんですけども、ヨーロッパでなんで評価が低いのか、アメリカで当たらなかったかというのを、僕なりの、たぶんこうだろうなと思い当たる部分があるので、語ってみようと思います。

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