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【画像有り】築100年超えの木造施設「旧陸軍桶川飛行学校」取材レポート。保存が行き届かず戦跡の“廃墟化”が進む現状に潜入ライターが警鐘

 潜入ライターとして活動するニポポ氏@tongarikids)が取材で見聞きした情報を紹介する「超ニポポの怪しい動画ワールド」。今回は旧日本陸軍の施設「旧陸軍桶川飛行学校」に潜入した体験をレポートします。

 番組には廃墟愛好家であり『ダークツーリズム・ジャパン』編集長の中田薫氏がゲストとして登場し、旧陸軍桶川飛行学校が歴史的な施設であるにも関わらず、まともな保存がされていない現状について「県が戦跡・史跡として保存に動き出さないといけない」と、歯痒さを滲ませました。

 本記事では、旧陸軍桶川飛行学校の様子を、貴重な写真資料を交えつつご紹介します。

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保存の手が行き届いていない廃墟「旧陸軍桶川飛行学校」

左から中田薫氏ニポポ氏

ニポポ:
 木造建築でありながら築100年超えという物件は保存していかないとマズイんですけども、その保存にも相当な資金が必要。これをどうやって捻出するのかと大変な問題になってしまい、にっちもさっちも行かなくなってしまった案件をご紹介しましょう。

撮影:ニポポ。

 特攻隊では予科練(茨城県稲敷郡阿見町)や知覧(鹿児島県南九州市)が有名ですけども、それらに並ぶ特攻隊員の訓練であったり排出を行なっていた施設で、あんまり知られていないんですけども、これは埼玉県桶川市にある「旧陸軍桶川飛行学校」です。

中田:
 あ、そこ行ってないなぁ。

ニポポ:
 残されているものとしてはスケールがデカいんですよ。メディアさんと掛け合って、この旧陸軍桶川飛行学校の紹介や周知をしようと記事化の打診をしたんですけど、軍事施設ってだけで、「右か左か」って話になっちゃって……。

中田:
 うちは掲載しますけどね。

ニポポ:
 本当ですか!是非お願いします(笑)。もうちょっと知ってほしいという思いがあるんですよ。

撮影:ニポポ。

 次のお写真は厩舎。お馬さんがいたところですね。

中田:
 軍馬ですね。

ニポポ:
 そうです。お馬さんがいなくなってからは車を整備したりする機能も備わっています。車の下に潜るところがあったり。この厩舎を含めて4棟くらいが消失せずに残っています。

中田:
 これ現状、廃墟状態ですか? 管理は?

ニポポ:
 これが凄いんですけど、当時ここで働いていた、現在90歳超えの元職員さんが、今も保全メンバーとして管理をされているんですよ。

中田:
 そりゃ凄い。

ニポポ:
 週末にはオープンデーみたいに内覧できるんですが、その方がいらしている時はお話も聞かせてくれるんです。

中田:
 最後の語り部かもしれないね。

撮影:ニポポ。

ニポポ:
 その方が倒れちゃったら語り継ぐ人がいなくなっちゃうんですよ。管理もどうなるかわかりませんし。

中田:
 それもう日本の問題ですよ。

撮影:ニポポ。

ニポポ:
 そしてこちらがメインの建物。

中田:
 これ、戦跡としての保存運動とかはあるのですか?

ニポポ:
 一応あるにはあるんですが、盛り上がってないんですよ。

撮影:ニポポ。

中田:
 観光資源として活かしていこうって考えは?

ニポポ:
 それもあるにはあるんですが、機能していないんです。

中田:
 お土産とか売ってないのですか?

ニポポ:
 無いです! 周辺観光資源も無いです。

撮影:ニポポ。

 当時としては最新鋭の作りで建築されているわけですから、未だにこのクオリティで残っているというわけです。

中田:
 ダークツーリズム的には非常に価値のある物件ですね。明治大学の平和教育登戸研究所資料館みたいに残そうって動きがないと、なかなか残っていかないですよね。

ニポポ:
 僕も戦跡はあちこち行かせてもらっているんですけど、やっぱり残っているものってレンガ造り・石造りなんですよね。木造ってなかなか無いんですよ。木造でここまでの規模でそのまま残ってるものを僕は知らないですね。

中田:
 そりゃ自治体が動かないと。

ニポポ:
 実は動いているんです。動いててこのレベルです。

中田:
 広島も沖縄もそうなんだけど、直接の語り部がもういなくなるんですよね。これが記憶の継承の大きな壁になってきている。

撮影:ニポポ。

ニポポ:
 室内には資料も展開されているんですよ。特攻隊で出撃していった方々の資料ですとか。

中田:
 その今90何歳の方は特攻隊員じゃなくて整備士かなにかでしょうか?

ニポポ:
 まさにそうなんです。整備士さんで、何人も送り出していった方ですから、その話する時はすっごい泣くんですよ。最後に将棋指しながら「ホントは行きたくない」みたいな話があったとか。あとは看護婦として働いていた女性職員の方もいたりして、その方は、もう動けないけど生きているという人に安楽死の注射を打っていった話をしてくれたり。

中田:
 九州の知覧が有名だけど、関東圏でこんな施設が残されてるなんて。状態もそこまで悪くないし。

ニポポ:
 そうなんですよ。知覧と予科練と桶川飛行学校が三本柱として機能していけば良いんですが、ここだけないがしろにされちゃってるんですよ。

意外と最近? 廃墟に残る生活の跡

撮影:ニポポ。

 こちらの写真。民家みたいになってるのがおわかりいただけますか? よく見たらカセットテープなんかが落ちていたりして、時代背景おかしいじゃんってなりません?松田聖子さんのカセットテープが落ちてます。

撮影:ニポポ。

中田:
 80年代ですね。

ニポポ:
 これが、普通なら取り壊されるのに、なんでこの施設がここまで残されていたかというところに繋がるんですけど、実はこの奥の住居スペース、不思議なことに賃貸に出されていたんです。で、その何人かいた賃借人の一人が数年前まで住んでいたんですよ。なので、施設全体が取り壊されずにいたという非常にレアケースで生き残った物件なんです。

中田:
 なるほど。あ、次の写真これ便器だ。

撮影:ニポポ。

ニポポ:
 早いですね(笑)。そうです、トイレです。

中田:
 昔こうだったよね。ただ壁にするだけっていう。昔のトイレは流してないから臭いんですよね。

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