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クロスボウはいつオワコンに? 訓練なしで使えたお手軽兵器の“流行りと廃り”を解説してみた

 今回紹介するのはバーガースさんが投稿した『ゆっくりで見る歴史を変えた武器・兵器【クロスボウ】』という動画。音声読み上げソフトを使用して、同人ゲーム『東方Project』の霧雨魔理沙(きりさめまりさ)河城にとり(かわしろにとり)のふたりのキャラクターが、兵器「クロスボウ」の知られざる歴史について解説を行います。


ゆっくりで見る歴史を変えた武器・兵器【クロスボウ】


クロスボウの歴史

画面左下が霧雨魔理沙(きりさめまりさ)、画面右下が河城にとり(かわしろにとり)

河城にとり: 
 クロスボウとは細長い台座に弓と台座を固定した投射兵器のことだよ。弦を引っ張ったら弦受けで引っ掛けて、ボルトとかクォーラルと呼ばれる矢を装填し、引き金をひくと発射できる。クロスボウってどれくらい昔から使われてきたかわかる?

 河城にとりの質問に対してコメント欄では「紀元前」と答えるコメントがありましたが、果たして結果は……。

河城にとり: 
 実はクロスボウの起源は2千年以上前に遡ることができるんだ。春秋戦国時代の中国の弩(ど)や、古代ギリシャのガストラフェテースに見ることができる。中世になるとクレインクイン(歯車)、ウィンドラス(滑車)を使った装填装置が開発され機械の力を借りることでより大きな力を弓に蓄えられるようになったんだ。

 どうやらクロスボウの力を発揮するには装填装置が必要になってくるようです。

「訓練なしで甲冑を貫くことができる」クロスボウの利点

河城にとり: 
 クロスボウの利点は、訓練なしで誰でも騎士の甲冑を貫けることだったんだ。

 中世のヨーロッパでは、まともな戦闘訓練を受けていたのは騎士だけで大多数は訓練を受けていない農民で戦闘が行われていたようです。

河城にとり: 
 騎士が突撃の構えを見せるだけで逃げ出してしまうこともあったみだいだね。戦場での力の均衡は大きく騎兵に傾いていたんだ。

霧雨魔理沙:
 そこにクロスボウが登場するんだな。

河城にとり: 
 身分が低く、戦闘経験の少ない平民がたった一本の矢で高度な修練と高価な甲冑を身に着けた騎士を倒せるクロスボウは歩兵と騎兵の力の差を埋めるのに重要な役割を果たしたよ。

 当時の騎兵の強さを想像して「馬の突進なんてバイクが突っ込んで来てるようなもんだしねぇ」「さすがナイトは格が違った」といったコメントが寄せられました。

クロスボウに対抗して騎士の鎧が変化、しかしそれでもクロスボウの優位は変わらず

河城にとり:
 クロスボウが流行する前は、騎士の鎧といえばチェーンメイルだったんだ。

霧雨魔理沙:
 鎖帷子(くさりかたびら)のことだな。

河城にとり:
 でも、チェーンメイルではクロスボウに貫かれてしまうことがわかると、プレートメイルを採用するようになるんだ。あまりにも重すぎるこの鎧のおかげで騎士がクロスボウに殺されることはなくなるかと思いきや。

 プレートメイルをもってしても弓が鋼鉄製のクロスボウから放たれる矢を防ぐことはできなかったんだ。

霧雨魔理沙:
 じゃあ騎士に残された手はなくなったのか?

河城にとり:
 捕らえたクロスボウ兵を処刑したり手足を切断したりしたんだ。中世では騎士というのは殺さないのが普通。騎士は捕らえて身代金をもらって敵に返すのが慣習だったんだ。卑しい平民にクロスボウで殺されるなんて夢にも思わないだろうね。

 騎士の名誉と誇りを踏みにじるクロスボウ兵に残酷な報復が行われるのも当然という時代だったよ。

 甲冑の強さでかなわないクロスボウ兵へ残酷な対抗手段が講じられていたことに「騎士職がお高くとまっていた時代の価値観だね」「このあたりは正々堂々の武勇を良しとする当時の戦争の滑稽さが見えるな」といったコメントが寄せられました。

クロスボウの弱点「矢の装填に時間がかかる」

河城にとり: 
 そんな歩兵の戦場での地位を高めたクロスボウだけど欠点もあったんだ。それは矢の再装填に時間がかかることだよ。クロスボウとよく対比される武器にロングボウがある。ロングボウは使えるようになるまでに長年の訓練が必要な代わりに、威力のある矢を短時間でたくさん射てたんだ。

 クロスボウは1分で1~2本を発射したのに対し、ロングボウは12本発射することができたんだ。

 日本でクロスボウが歴史に登場しなかった理由について「和弓の速射性と射程距離の長さ、武士の個々の技量が戦闘を左右した。戦国時代には火縄銃の普及で入る余地が無かった」という解説をするコメントも。

河城にとり: 
 この発射速度の差が原因で中世ヨーロッパでも類を見ない大損害を出した戦いがあるんだ。それが「スロイスの海戦」だよ。(イングランドとフランスの)戦争開始から3年後の1340年、エドワード3世は戦力約160隻の艦隊で英仏海峡を渡った。一方フランスは約200隻の艦隊をフランドル地方の港のスロイスに送りそこで迎え撃つことにしたよ。

 フランスはイングランド艦隊をスロイスに上陸させない為に艦隊を横3列に分けて列ごとに鎖でつなぎスロイスを封鎖したよ。

霧雨魔理沙:
 艦隊というより、要塞みたいだな。今の時点ではフランスのほうが優勢な気がするな。

イングランドのロングボウがフランスのクロスボウを圧倒

河城にとり: 
 1340年6月24日、ついに両軍の大艦隊が衝突した。このときイングランド艦隊は潮が満ちて追い風になるのを待ち、しかも太陽を背にして突入したんだ。そういった状況の中、イングランドのロングボウ兵は矢を掃射した。

 フランスはなんとかクロスボウで対抗しようとするけど、ロングボウが放つ圧倒的な矢の量には太刀打ちができなかった。

 凄惨極まるこの戦いに「そりゃ機動力捨てたらそうなるわな」「なんか赤壁の戦いを思い起こす絵面を想像するな」といった感想コメントも。

河城にとり: 
 矢を斉射したあとは、敵船に乗り移って白兵戦が行われたよ。でも、ロングボウ兵の斉射で力を削がれたフランス兵は次々とイングランド兵に海へ投げ捨てられていったんだ。結果、イングランドはフランス船を190隻拿捕し16000~18000人のフランス兵が犠牲になった。

霧雨魔理沙:
 190ってほぼ全部じゃねーか!

 ロングボウの矢の斉射能力でフランスを破ったイングランドはその後、英仏海峡を掌握することになります。この事実に「大敗北じゃん」「矢は数だよ兄貴」といった感想コメントが寄せられました。

クロスボウの衰退、小銃の登場

河城にとり:
 そんなこんなで歩兵に愛され続けたクロスボウだけど16世紀になると小銃が歩兵の標準的な武器になってクロスボウは戦場から姿を消すよ。

霧雨魔理沙:
 それでも2000年は現役だったってことだろ? おつかれさまだぜ。

河城にとり:
 ところが完全に出番がなくなったわけではなかったんだ。銃に比べて音が静かなクロスボウは狩猟用として使われ続けたよ。現存している古いクロスボウは戦闘用ではなく狩猟用の方が多いみたいだね。

 圧倒的な力を誇った武器のクロスボウも時代の流れには勝てなかったようです。小銃の登場に「完全に上位互換だしなー」「木製なので安価、音が小さく奇襲に最適、習熟までの時間が短く誰でも使える、これらが特徴の武器だからな」といったコメントが寄せられました。

 今回の動画では、兵器クロスボウの歴史を解説した河城にとり霧雨魔理沙。そんな彼女たちの解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画を視聴してみてください。


ゆっくりで見る歴史を変えた武器・兵器【クロスボウ】


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